「手を打っても効かない、というときは、たいてい原因が別のところにある」——そう言う人間が、何をやってきた人間なのか。このページは、その問いに事実でお答えするものです。
業務・IT領域のコンサルタントから人事領域のコンサルタントへと経験を広げ、その後 事業会社の部門責任者 として内側から組織を動かしてきました。
ひとつの領域に閉じない歩み方をしてきたことで、いま手元に残っているのは 二つの軸 です。
- 領域の幅 — 業務・ITと人事の両方を、コンサルティングと事業会社実務の両面で扱ってきた
- 視点の両立 — 外から提案するコンサルタントの目と、中で実際に動かす実務担当者の手、その両方を経験した
組織の困りごとは、「人の問題」に見えて業務設計の話だったり、「制度の問題」に見えて事業戦略の話だったりすることが少なくありません。領域の境目で起きている問題を、境目を越えて扱える——この視点を、Will & Nexus の中核に置いています。
このページでは、その二つの軸がどんな経験から立ち上がってきたかを、3つの時期に分けてお伝えします。
I. 業務・IT領域のコンサルタントとして
新卒で アクセンチュア に入社し、システム保守運用・基幹システム刷新PMO・内部統制(JSOX法)初年度対応支援などのプロジェクトに従事しました。
特に印象に残っているのは、内部統制の初年度対応です。法律対応として世の中にもやり方が定まっておらず、監査法人や会計士も明確な答えを持っているわけではなく、社内の先輩にも経験者がいない——そういう領域で、IT全般統制を中心に主要子会社7社分を担当しました。会計士の指摘なく初年度を乗り切りましたが、特別なことをしたというよりは、JSOX法は何のための制度で、求められる「3点セット」(業務記述書・リスクコントロールマトリクス・業務フロー図)はどこまでのレベルを満たす必要があるのか を自分なりに読み解き、現場の業務と数字の現状とすり合わせて積み上げていく——そういう動き方をするしかなかった、という時期でした。
このときに身についたのは、方法論やツールが社内に揃っていない案件で、「これは何のためにやっているのか」に立ち戻り、その目的から現場の構造を組み立て直す 思考の手癖だと思っています。この姿勢が、ここで習慣になりました。
II. 組織・人事のコンサルタントとして
問題解決とプロジェクト推進の経験を礎に、コンサルキャリアを 人事領域 に展開していきました。
最初は 株式会社チェンジ で研修・人材開発の領域から。新卒向けエクセル活用研修や中堅社員階層別研修などの新規研修開発、研修登壇、プリセールスを担当しました。「人が育つ場」に関わる仕事に身を置いてみたかった——学生時代に教員免許を取った頃から続いていた関心が、ここで一度形になった時期でした。
その後 株式会社パーソル総合研究所 以降では、採用・人事制度・配置・定着など、人事領域全般 に支援領域を広げていきました。サービス業の人事制度(等級・評価・報酬)改定と導入支援、保険業の採用改善・面接官トレーニング、小売業の人事改革グランドデザイン、複数業種にまたがる定着支援、面接官トレーニング研修やマネジメント研修の企画・改善——人事領域のいろいろな入口から、複数業種・規模の課題に向き合いました。
中でも、岐阜県の中小企業10数社向けに 10ヶ月にわたって定着支援 をしたプロジェクトは、印象に残っています。ES調査から課題分析、解決策の検討、実行支援までを伴走する形で、支援した全企業で定着率が改善し、20ポイント以上改善した企業もありました。
「人事制度をどう作るか」「どのような研修を行うか」といった人事施策の枠で思考を止めず、「この事業を進めるために、人の流れをどう設計するか」という起点で考える習慣は、こうした現場でついてきた感覚です。
採用から代謝までの 人材フロー全体を、事業推進の文脈で捉える視点——いまの仕事の中核にあるこの軸は、ここで形になりました。
人事領域とITを、内側で動かす側で経験してきた
人事コンサル時代も、IT文脈の仕事を並行して担当し続けていました。コンサルキャリアの中盤に在籍したビジネスブレイン太田昭和では半分の工数を社内の働き方改革プロジェクトリーダーとして社内事業の内側で動かし、残り半分でコンサル業務を担当。コンサルタントが社内事業を兼務するのは、業界的には珍しい働き方でした。パーソル総研では人事データ分析やタレントマネジメントシステム導入支援を担当しました。チェンジ時代の自社基幹システム導入PMの経験も含めて、人事領域もIT文脈も、外から提案するだけでなく社内事業の内側で動かす経験 を、コンサル時期から並行して積み続けていたことになります。
この「外から提案するだけでなく内側で動かしてきた」蓄積が、事業会社に移ってから人事責任者として、人事制度改定や タレントマネジメントシステム(人材情報を一元管理し配置・育成判断に使う仕組み)の導入・生成AI活用を内製で動かせる 地続きの経験になっています。この流れは独立後も続いていて、Will&Nexusの予約管理や業務まわりの仕組みも、生成AIを使いながら自分で設計し、実際に動かしています。
III. 事業会社の部門責任者として
「外部からでは手が届きにくい領域もある」「経営の判断を、もっと近い距離で見たい」という思いから、コンサルから 事業会社の部門責任者 へとシフトしました。ここで、視点の軸足を「外」から「中」に移しています。
これにより、メンバー・中間管理職(部長)・経営観点(執行役員・部門責任者)の3つを、立場として一通り経験することになりました。
楽天カー株式会社では業務管理部 部長として、人事に加え、経理・財務経理・総務・営業事務 を、自分自身も実務に手を入れるプレイングマネジャーの立場で担当しました。役職としては人事領域を含みつつも、実態としては経理・財務経理に時間を割く局面が多く、たとえば月次締め処理で会計と日々の営業管理の数字が大幅に乖離していた状態を、担当を引き継いでから2ヶ月で数値一致まで持っていくといった、人事の枠を越えた領域も自分で動かしていました。採用苦戦領域(マーケティング人材)の社員採用や、事業部ES調査の運営と組織関連戦略策定の補助なども担当しています。
株式会社D&Iでは執行役員・人事本部長 として、TOKYO Pro Market 上場ステージのベンチャーで、人材マネジメントの基盤づくりを担当しました。人事制度の改定・タレントマネジメントシステムの導入・採用プロセスの再設計 を、限られた予算と体制の中で、生成AI活用も組み合わせながら実装まで完遂しました。
このD&Iでの時期に強く残っているのは、人事本部長として人事領域を見ながら、経営会議のメンバーとしてビジョン・中期計画のアップデート、サービス価格、事業推進方針といった人事の外側の意思決定にも当事者として関わる 立ち位置でした。人事制度改定ひとつとっても、人事領域の論理だけで完結させると、経営側や現場との対話が噛み合わなくなる側面があります。事業の収益構造、サービス価格の現実、来期以降の中計シナリオと地続きで、自分の中で組み立て直して経営側に出し、限られた予算と工数の中で実装まで持っていく——コンサル時代に外から提案していたものを、人事の責任者でありながら経営全体の一員として 動かしきるのは、見えるものが違いました。
外から提案するときには、決裁ラインや関係部署の温度感、予算と工数の現実、そういったものは「クライアントが判断すること」として一段引いて見ていました。それを 自分の判断と動きで前に進めなければいけない側に回って初めて、提案の中身に「これ、本当に動くのか」と問い返す目線 が、染み込んできた感覚があります。
重なって積み上がった経験を、これからどう使うか
振り返ると、コンサルとして外から関わった期間と、事業会社の中で動いた期間、人事を扱った期間とITを扱った期間が、それぞれ重なり合いながら積み上がってきました。一つの肩書きで一つのことだけをやってきた、という履歴ではありません。
そうした重なりが、「人事の課題なのか、IT化の話なのか、業務設計の話なのか、どこから手をつければいいか分からない」——領域の境目で動かなくなっている問題に、複数の角度から手を入れられる引き出しを作ってくれているのだと思っています。
これらの経験が、これから Will & Nexus でやろうとしていることの 起点 になっています。
参考: 経験の重なり
- コンサルタントとして: 2006年〜
- 人事領域に関わって: 2012年〜
- IT領域に関わって: 2006年〜
- 事業会社の内側で: 2018年〜
- PM・管理職として: 2018年〜
※ 順に進んだのではなく、各時期に同時並行で重なってきた経験です。
ここから先——Will & Nexus でやること
各領域には、その領域に長く居続けた専門家の方々がいます。深さで彼らに敵わない部分は、率直に言って、あります。
ただ、業務・ITと人事の両領域を、外の目と中の手の両方で扱ったことがある人は、それほど多くないと思っています。
Will & Nexus では、この立ち位置を活かして、領域の境目で起きていて、専門家ひとりでは抜けない問題 に向き合っています。「人の問題」に見えて業務設計の話、「制度の問題」に見えて事業戦略の話、「IT化の話」に見えて組織カルチャーの話——そうした 境目の問題を、境目を越えて扱う ことが、いまの仕事の中心です。
具体的にどんな関わり方ができるかは、Will & Nexus について と スタンス をご覧ください。
学歴
- 慶應義塾大学 理工学部 情報工学科 卒業
- 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 修士課程 修了(修士・工学)
学生時代、研究成果を国際会議(IEEE SMC 2003)で発表した経験があります。専門分野は組織・人事から離れますが、一つの問いを筋道立てて検証し、人に伝わる形にする訓練を受けたのはこの頃からです。
所属(時系列)
経験を積んだ場として、所属社を時系列でお示しします。
アクセンチュア株式会社 / 株式会社チェンジ / 株式会社パーソル総合研究所 / 株式会社ビジネスブレイン太田昭和 / 楽天カー株式会社 / 株式会社D&I
※ コンサルティングの個別案件・クライアント名は守秘義務により公開していません。具体的な経験領域については、初回相談でお気軽にお問い合わせください。